「工場の見える化をしたいけど、どこから手を付ければいいかわからない」
「機械の状態を自動で記録したい」
「高額なIoT機器を導入するのは難しい…」
そんな方に向けて、この記事では パトライトの色をカメラで読み取るだけで工場の見える化を実現する最も簡単な方法 を紹介します。
必要なものは Raspberry Pi(またはPC)とUSBカメラだけ。
既存設備に触らず、工場ラインを止めず、“完全後付け”で導入できます。
なぜパトライトを読むだけで「工場の見える化」になるのか?
工場の設備はすでに パトライト(緑・黄・赤) で状態を知らせています。

- 🔵 緑:正常稼働
- 🟡 黄:注意・段取り
- 🔴 赤:停止・異常
つまりパトライトは 機械のリアルタイム状態 を、最初から “色” で出してくれています。
これを カメラで読み取って自動で記録・通知すれば、次のような「見える化」が一気に実現します。
これだけできる!パトライト読み取りによる“工場の見える化”効果
✓ 設備の稼働時間が自動でデータ化
人手入力のミス無し、データの取り忘れ無し。
✓ 停止時間・段取り時間が数値で見える
改善のボトルネックが明確に。
✓ ライン停止をリアルタイム通知
Slack/メール/アンドンとも連携可能。
✓ 後付けなので、工場を止める必要ゼロ
既存設備の改造工事も不要。
✓ 現場DXの“最初の一歩”として最適
安く、早く、効果が出やすい。
パトライトは 工場の状態を既に語ってくれている のです。
あとは “読むだけ” で見える化が完成します。
実装のポイント:USBカメラで「緑・黄・赤」を正確に読み取る方法
カメラでの色認識は一見簡単ですが、実際には次のような問題があります。
- 緑が黄色寄りに映る
- 赤と橙の境目が曖昧
- 工場の照明で白飛びが起きる
- カメラの露出で色味が変わる
そこで私たちは、工場でのテストを元に 現場向けに最適化した認識アルゴリズム を開発しました。
工場向けに最適化した「パトライト色判定アルゴリズム」

① 色(Hue)を工場環境向けにチューニング
red: Hue 0–10 / 170–179
yellow: Hue 12–35 ← 橙も含む
green: Hue 33–95 ← 黄緑も含む
工場で撮影すると、緑は 黄緑(H=40前後) に寄るため、
一般的な色判定よりも 緑の範囲を広げる 必要があります。
② 白飛び(照明反射)を除去して誤判定を防止
白っぽく明るい場所は色判定から除きます。
white_mask = (S < 60) & (V > 200)
これで照明反射のノイズが激減し、安定した色判定が可能に。
③ ランプ形状に合わせた“楕円マスク”で色を抽出
パトライトは円柱形なので、ROI(範囲)を楕円に絞ると効果的。
--ellipse --ellipse_scale 0.85
背景のノイズを排除し、正確な「緑/黄/赤」の抽出ができます。
④ 色が変わった瞬間だけを通知 (連続フレーム安定化)
実際に点灯していない一瞬の反射は無視します。
--stable 3
3フレーム連続で変化したときにだけ“イベント”として扱います。
GUI も用意。工場の監視端末としてそのまま利用可能

Tkinter ベースの GUI を搭載。
現場の人でも使いやすい画面で状態を確認できます。
- カメラ映像
- 緑/黄/赤のステータス一覧
- ratio(どれだけ光っているか)
- 明るさV
- FPS
- 一時停止
- スナップショットボタン
工場の監視モニターとしてそのまま使えるレベル です。
結果は JSON 出力 → どんな“見える化システム”にも接続できる
例:
{"id":"P1","color":"green","ratio":0.084,"v_mean":132.4,"ts":"2025-11-26T14:51:03.412+09:00"}
この JSON を使えば…
- ダッシュボード(Power BI / Tableau / Grafana)
- Slack通知
- REST API・MQTT連携
- 生産日報の自動作成
どんな見える化ツールにも橋渡しできます。
“工場の見える化” を最速で実現したい人へ
パトライトの色をカメラで読む方式は、
現場のDXを始めるための 最もコストが低く、最も効果が出やすい方法 です。
- 設備の改造不要
- 導入が早い(1日で動く)
- 低コスト(Pi+USBカメラ)
- どんな現場にも後付けできる
「工場の見える化をしたいけど、最初の一歩に悩んでいる」
そんな方に最もおすすめのアプローチです。